最近広告でよくみるオンライン学習サービスの「スタディング」の中小企業診断士講座について調査しましたので、そのレビューを行います。
これから中小企業診断士試験の講座を受けようと考えている方は参考にしてみて下さい。
※ホームページから得られた情報を元に中小企業診断士としての個人的な見解を述べます。
スタディングとは
オンライン学習コンテンツです。
その特徴として、「忙しい方」を対象として学びやすく、わかりやすく、続けやすい効率的な学習手段を提供していることが挙げられます。
スタディングは短期合格者の学習方法を長年に渡り研究し、心理学、脳科学等と組み合わせて汎用的で効率的な勉強方法「スタディングメソッド」を練り上げ、受講者に提供しています。
詳細な説明はリンク先をご覧ください。
価格は?
中小企業診断士講座のコース別価格は下記の通りです。
具体的な価格比較は控えますが、他の資格予備校と比べても圧倒的に安いことがわかります。
「スタディサプリ」と同じでオンライン学習に特化し余計な運営コストをとことん削除したからこそ実現した価格だと思います。
「スタディサプリ」の資格版が「スタディング」という印象です。
各コースで付属する教材に差が出てきますが、あれこれ悩むくらいなら「コンプリート」を選んで問題ないと思います。
※ミニマムは教材が少なすぎるのでお薦めしません。
「スタンダード」と「コンプリート」の違いに着目してその理由を補足していきます。
- 直前対策講座
必須ではありませんが、あるとよいと思います。
講義資料の中身をみたわけではありませんが、直前期には全ての強化を総ざらいしたまとめ講義があると嬉しいです。直前対策講座で得た気づきをその後の過去問演習に役立てます。 - 合格模試
必須です。オンラインの一次試験模試です。
ぶっ通しで集中力をキープしながら問題を解くという経験は事前に必要です。
他の資格予備校の模試でもいいですが、普段習っている先生の解説を聞いた方がよいのでスタディングで模試を受けることをお薦めします。
※スタディングでは二次試験の模試が行われないため、
他資格予備校で受けた方がよいと思います。 - Q&Aチケット3枚
Q&Aチケット1枚につき1回質問ができるとのことなので、
お試し程度に使う感じだと思います。
なお、チケットを単品で買うと1210円かかります(4枚で4400円)。
このサービスはビデオ学習をメインにして運営費をカットすることで成立しているので、Q&A対応のようなマンパワーがかかることは得意じゃないと感じました。

感想(一次試験対策)
一次試験対策については問題ないと思いました。
中小企業診断士 教材・カリキュラムの「1次試験向け講座教材」を見る限り、
全体像を明らかにしながら各論を説明し、知識同士を結合させるようなテキスト構成
になっているのでGOOD!
また、学習の進め方についても「1次試験合格までの流れ」で説明されている内容を実践すれば得点力を上げられると思います。
感想(二次試験)
中小企業診断士の鬼門は二次試験なので厳しくチェックしていきます!
結論を先にいうと二次試験のカリキュラムは少し心もとないと感じました。
それではその根拠を説明していきます。
まず流れとしては「2次合格メソッド講座」→「2次基礎講座」→二次試験
のようになっており、この先で一つずつ説明していきます。

2次合格メソッド講座
与件文・問題文から解答を作成するまでの論理の流れを可視化したロジックマップというメソッドを使って二次試験を解いていくことになります。
このメソッドを身につける講座が「2次合格メソッド講座」です。
二次試験の解き方については色々あってよいと思うので、
このメソッドの是非については論じません。
2次筆記試験では、知識量ではなく、解答を導き出すための「思考力」が問われます。そのため、2次対策では「解答作成のプロセス(手順)」を習得することが重要です。事例文、問題文から、ロジックをベースにした論理的な解答を作成するのがポイントです。
スタディングの2次対策は、「ロジックマップ」を使って学びます。「ロジックマップ」は、与件文・問題文から、解答を作成するまでのロジックをシートに表した画期的な学習ツールです。
解答のロジックを「ロジックマップ」で可視化することで、不明確になりがちな解答作成のプロセスを明確にすることができます。本講座では、2次筆記試験の基本的な「合格戦略」や、効果的な「アプローチ方法」、そして、ロジックマップを使って「解答作成のプロセス(手順)」をわかりやすく動画で解説します。
2次合格メソッド講座
これにより、初めて2次試験の対策をする方でも、学習方法に迷わずに、効率的な方法でスタートすることができます。
2次基礎講座
過去問を繰り返し練習してロジックマップというメソッドを体得する講座です。
2次試験の学習は、「過去問に始まり、過去問に終わる」と言っても過言ではありません。過去問の解答方法を丁寧に学習し、合格答案を再現できるようになることが、合格の近道です。
2次基礎講座では、2次試験の過去問を使い、解答の作成方法を習得することができます。
また、ロジックと解答が白紙になっているロジックマップも添付されており、これを使って何度も解答作成を練習することができます。過去問を中心にロジックマップを作成し繰り返し復習することで、解答を導く模範的なロジックが「正しいフォーム」として身につきます。
2次基礎講座
この講座について気になったところを述べていきます。
- 音声のみのコンテンツである
上記の図(二次試験までの流れ)を見るとビデオはなく、音声だけとなっています。
メソッドを使って過去問を解いていく重要なフェーズにも関わらず音声のみのコンテンツであることに一抹の不安を覚えました。 - 過去問しかやっていない
「過去問に始まり、過去問に終わる」というのは正しいと思いますが、過去問だけやればいいという意味ではないと思います。
「過去問→答案練習→模試→答案練習→過去問」というように色々やって最終的に過去問に戻ってくるというのがあるべき姿だと考えていますが、説明をみる限り答案練習も模試(二次試験)もありません。 - 自分の答えに対するフィードバックが得られない
他の資格予備校では答案練習(模擬問題を解きその添削を受けられる講座)があり、「解答→講師からのフィードバック→修正→解答→…」を繰り返すことでメソッドを正しく使えるように矯正していきます。
二次試験の答案練習をやってみるとわかるのですが、自分としては正しい答えを書いたつもりでも採点者に伝わらず失点していることがよくあります。
なので、音声講義のみの講座だけで「正しいフォーム」が身につくとは到底思えません。
みんなこの「正しいフォーム」が中々身につかないから泣いているのです。
先生からのフィードバックを元にあれこれ試行錯誤してやっと身につきます。
私も本当に苦労しました。。。
感想(全体を通して)
一次試験対策は○、二次試験対策は△だと感じました。
正直、二次試験は「スタディング」の講座だけでは足りないので、
他の資格予備校の講座も併せて受講した方がよいと思います。
LEC、TAC、MMC等色々あるので探してみてください。
最後に
「スタディング」の中小企業診断士講座はオプションをつけても10万円弱の費用で収まるのでコスパは高いと言えます。
ただ、二次試験対策についてはやや手薄なので他のサービスで補った方がよさそうです。
完璧なサービスはありませんので、自分の学習状況を鑑みて適宜他のサービス・教材を組み合わせて勉強を進めていった方がよろしいかと思います。
本記事があなたの勉強の役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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