2015年に中小企業診断士に合格した筆者が中小企業診断士(一次試験)の学習ペースに関する見解を説明します。
※TACやLEC等の資格予備校に通っている方は先生の指導に従って下さい。
長期的に勉強に取り組んでいく上で学習計画を練ることはとても大切です。
この計画を練る時に参考になるペースメーカー等を紹介いたします。
独学でかつストレート合格を目指して中小企業診断士(一次試験)の勉強を
始めよう・始めている方は是非参考にしてみてください。
学習スピードのペースメーカーを紹介(①基本編)
この基本編はひたすら講義を受けて知識をインプットするフェーズです。
ペースとしては、TACの2021年合格目標(講義日程表)の講義スピード
と同じかやや先取るようにしてください。
それではTAC渋谷校の講義日程表を例に説明していきます。
開講時期によって講義スピードが異なりますので、
自分が勉強し始めた時期と開講時期を合わせてください。
(例)
・2020年8月〜10月に勉強を始める方:10月開講
・2020年11月から学習を始める方:11月開講
・2020年12月から学習を始める方:12月開講
・2021年1月から学習を始める方:1月開講
※2月開講の講義日程表はありません。
試験本番まで試験まで半年を切っており、
講義を消化しきれないということで2月開講はないと考えます。
「2020年8月〜10月に勉強を始める方(=10月開講)」を例に
中書企業診断士(一次試験)の学習ペースを説明いたします。
講義日程表の基本編を下記の通り抜粋しました。
2020年10月2日〜2020年10月30:経営(講義8回+答練1回)
2020年11月3日〜2020年12月8日:財務(講義10回+答練1回)
2020年12月11日〜2021年1月19日:運営(講義7回+答練1回)
2021年1月22日〜2021年2月16日:経済(講義7回+答練1回)
2021年2月19日〜2021年3月12日:情報(講義6回+答練1回)
2021年3月16日〜2021年4月6日:法務(講義6回+答練1回)
2021年4月9日〜2021年4月23日:中小(講義4回+答練1回)
中小の講義(答練)が終わる2021年4月23日までに全教科履修している状態を目指します。
ではこの「全教科履修している状態」とはどのような状態なのでしょうか?
ここでは学習の質(到達レベル)の話もしていきます。
(1)理解を伴なう形で参考書の一読が完了している
手をつけていない教科(単元)がない状態を意味します。
(2)参考書付属の問題集のやり込みが完了している
最低限、この問題集内の最頻出問題を満遍なく正答できる状態を意味します。
※この段階では過去問演習をガンガンやり込んでいなくてもOK(やっていてもOK)
初学者でインプットを進めながら既習教科の過去問を解きまくるのは困難なため
※参考書付属の問題集の中で過去問が少しでも取り扱われていることが前提となります
改題されていてもOK、少しでも本試験のレベルを体験できていることが大事
学習スピードのペースメーカーを紹介(②一次直前編)
この一次直前編はひたすら答練(擬似過去問)を通したアウトプットフェーズです。
ペースとしては、この期間中に過去問を単元別(分野別)に反復学習(最低3回)
することで、インプットした知識を定着させ、自在に引き出せるようにします。
※単元別(分野別)に過去問を解くことで網羅性を高めることが可能
ここでもTAC渋谷校の講義日程表を例に説明していきます。
改めて、講義日程表の一次直前編を下記の通り抜粋しました。
2021年5月7日〜2021年5月28日:1周目(全7教科の答練)
2021年6月1日〜2021年6月22日:2周目(全7教科の答練)
※その後各教科の最終講義があるようですが、
これは振り返りのようなものだと思うので割愛します。
2周目の答練が終わる2021年6月22日までに過去問演習がやり込まれている状態を目指します。
ではこの「過去問演習がやり込まれている状態」とはどのような状態なのでしょうか?
この時期ではただ正答できるだけではなく、解答スピードも意識する必要があります。
(1)過去問題集の最頻出問題(Aランク)、その次に頻出とされる問題(Bランク)
を全教科において満遍なく正答できる状態を意味します。
(2)計算や解答スピードが求められる科目(財務や経済など)において、
淀みなくスラスラと手が動く状態を意味します。
初学者の方にはきついかもしれませんが、
既知の問題に対しては即答できる状態にまで持っていって欲しいです。
そのためには、過去問題集を手垢がつくまでやり込むしかありません。
「ハンターハンター ネテロ会長の感謝の正拳突き一日一万回」のように最初は時間がかかるけれど慣れてくると高速で解けるようになってきます。
慣れてくると問題そのものを覚えてきてしまいますが、
しっかり与件文や問題の選択肢を読み込んで根拠をもって解答できるようにして下さい。
雑に過去問をやっても全然できるようにならないので注意してください。
本番を解くときと同じプロセスで解答することがミソです。
過去問演習を目的にしてはダメです!
また、この時期には各資格予備校が一次試験の公開模試を開催しています。
何個も受ける必要はありませんが、最低一個は受けてください。
模試の受講目的を以下に記載します。
(1)90(60)分ぶっ通しでの解答に慣れる
資格予備校に通っていると90(60)分ぶっ通しで問題演習を行う
「答練」を何回も経験します。
ですが、独学だとこの「答練」の機会がありません。
なので、ぶっ通しで解いた時のタイムマネジメント経験を模試で積んで下さい。
(2)予備校の先生渾身の予想問題を解ける
法務だったら法改正の内容が問われやすくなるといった「時事問題」への対策を
市販の問題集だけで完結させるのは困難です。
だから、旬のテーマを模試でキャッチアップしておく必要があります。
※模試を復習する際は「時事問題」に重点をおいてください。
過去問ではカバーできないからです。
③直前期の過ごし方
直前期とは一次試験の約1ヶ月前の仕上げの段階です。
ここまでくるともはやペースメーカーはなく、本番前日までガンガン過去問を解くだけです。
この時期においては、過去問を単元別(分野別)ではなく一年分を通しで解きます。
・経営(令和元年)を90分で解く
・財務(令和元年)を60分で解く等
本番と条件を揃えて過去問をやり込んでいくことでタイムマネジメント能力を強化します。
※直前期はインプットが概ね済んでいるという前提で問題解答力の向上を図ります。
最後に
資格予備校に通っている方はカリキュラムをしっかりこなしていくだけで、
ある程度得点できるようになってきます。
しかし、独学の方はそうはいかず、
自分で学習計画を立てて勉強を進めていかねばなりません。
そこで、学習計画立案に役立つペースメーカーを紹介させていただきました。
本記事があなたの受験勉強のお役に立てば幸いです。
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