2020年度弁理士試験合格者が語る選択科目の免除方法!応用情報処理技術者がお薦め

筆者の元同僚で2020年度の弁理士試験に合格されたNさんに「弁理士試験」に関するインタビューを行いましたので、その内容を記事にしていきます!

今回は弁理士試験受験に際し、「論文式試験(選択科目)」の免除を他資格(応用情報技術者)で行う方法を提案する記事を書きたいと思います。

下記のように思われている方は是非最後までご覧ください。

論文式試験(選択科目)を免除して負担を楽にしたい。
応用情報技術者という資格を取ることで免除できることは知っているが、
弁理士試験の片手間に勉強して何とかなるものなの?
それにいつ勉強したらいいの?

(再掲)弁理士試験について

Nさんへのインタビューを行う前に弁理士試験について説明します。

弁理士とは?

「弁理士とは何か?」について日本弁理士会のHPに以下のように書かれています。

弁理士とは?
弁理士は〝知的財産に関する専門家〟です。

弁理士法
(弁理士の使命)
第1条 弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを使命とする。

せっかく創作した知的財産がパクられて好き勝手に使われてしまう状態になってしまうと誰も創作活動をしなくなってしまうので、しっかりと法律で保護する必要があります。

その役割を担うのが弁理士です。

ここで、知的財産とは一体なんでしょうか?

人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物などには、 財産的な価値を持つものがあります。 そうしたものを総称して「知的財産」と呼びます。 知的財産の中には特許権や実用新案権など、 法律で規定された権利や法律上保護される利益に係る権利として保護されるものがあります。 それらの権利は「知的財産権」と呼ばれます。
具体的には、特許、実用新案、意匠、商標、著作物等

知的財産 ※日本弁理士会のHPから引用

弁理士試験とは?

弁理士試験の概要については、特許庁のHPに以下のように書かれています。

弁理士試験は、弁理士になろうとする方が弁理士として必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的とした試験です。
弁理士試験に合格し、実務修習を修了された方は、「弁理士となる資格」が得られます。
弁理士試験は、筆記試験と口述試験により行います。
筆記試験は短答式と論文式により行い、短答式に合格した方でなければ論文式を受験することはできません。
また、筆記試験に合格した方でなければ口述試験を受験することはできません。

出ました「応用能力」という言葉!
単に知識としてインプットしていくだけではなく、それの活用までが試験で問われます。

また、弁理士試験は「短答式試験」「論文式試験」「口述式試験」の3段階で実施され、それぞれの試験に合格した方だけが次の試験に進むことができると書かれています。

ちなみに、令和2年度の合格率は以下の通りです。

受験者数 2,947人、合格者数 287人、合格率 9.7%

合格率が9.7%であるため、難関試験です。

※口述試験合格者(278人)の数に工業所有権法免除者(9名)を足して計287人
※工業所有権法免除者とは特許庁において、審判又は審査の事務に従事した期間が
 通算して5年以上になる者

段階受験者合格者合格率
短答式試験2259人411人18.2%
論文式試験1060人位
正確な統計情報は非公開
265人25.0%
口述式試験281人位
正確な統計情報は非公開
278人98.6%
弁理士試験の合格者・合格率(令和二年度)

論文式試験(選択科目)の免除について

受験科目は少ない方がいいので可能な限り論文式試験(選択科目)を免除したいところです。

そこで、論文式試験(選択科目)とその免除を順を追って説明していきます。

論文式試験(選択科目)とは

弁理士試験の論文式試験は必須科目と選択科目から構成されます。
必須科目とは異なりいくつかの科目の中から1科目を選択して受験します。

(1)理工Ⅰ(機械・応用力学)    :材料力学、流体力学、熱力学、土質工学
(2)理工Ⅱ(数学・物理)      :基礎物理学、電磁気学、回路理論
(3)理工Ⅲ(化学)         :物理化学、有機化学、無機化学
(4)理工Ⅳ(生物)         :生物学一般、生物化学
(5)理工Ⅴ(情報)         :情報理論、計算機工学
(6)法律(弁理士の業務に関する法律):民法

この選択科目は免除ができるのでその内容について説明していきます。

選択科目の免除に際しては特許庁HPのQ&Aも必ずチェックして下さい。

選択科目の免除

論文式試験(選択科目)には他の公的資格取得に基づく免除の規定があるため紹介します。

  • 公的資格による選択科目免除一覧には「情報処理技術者試験合格証書」によって論文式試験(選択科目)が免除できることが書かれている。
    ※詳細は「別表2」を参照
  • 「別表2」には「応用情報技術者試験」等の情報処理技術者試験により
    「理工V(情報)」を免除できると記載されています。
    ※「応用情報技術者試験」にフォーカスした理由は後述します。
    システムアナリスト試験のような旧式の試験も対象に含まれています。

では、この「情報処理技術者試験」によりどれくらいの志願者が論文式試験(選択科目)の免除を受けたのでしょうか?

令和2年度弁理士試験志願者統計の「11.選択科目免除資格内訳」を確認します。

290人(15%)が「情報処理技術者試験」により論文式試験(選択科目)を免除しており、これは修士・博士の1110人(57.3%)に次ぐ人数(割合)となっています。

2020年度(令和2年度)弁理士試験合格者のNさんの紹介

Nさん

・筆者の元同僚のNさん
・IT業界(SIer等)にSEとして20年勤務
・2021年下半期から大手特許事務所に転職予定
・弁理士、応用情報技術者試験、セキュリティスペシャリスト、PM、ITストラテジスト等の難関資格多数保有
・英語が得意(TOEICは900点OVER)

情報処理技術者試験の中で応用情報技術者試験を選ぶ理由

TOMO

論文式試験(選択科目)に関する統計情報について紹介しました。

次に「情報処理技術者試験」で論文式試験(選択科目)
を免除することを考えていきます。

上記で頭出しした「応用情報技術者試験」をお薦めする理由を教えてください。

Nさん

出願時において、公的資格による選択科目免除一覧に掲載されている資格や「別表2」に掲載されている資格を既に保有している場合はその科目で免除を行なってください。

今回は、論文式試験(選択科目)の免除に必要な資格を出願時に保有していない状態にあることを前提としています。

IPA(情報処理推進機構)の試験区分によると
情報処理技術者試験の難易度は下図の通りです。

別表2」の情報処理技術者試験において「応用情報技術者試験」
の難易度が比較的低いことがわかります。

そのため、論文式試験(選択問題)の免除に
応用情報技術者試験を使うことをお薦めしています。

応用情報技術者試験の試験内容については「試験要項」をご覧ください。
また、Amazonで検索するとたくさん参考書や問題集が出てきます。

TOMO

確かに「別表2」に書かれている資格一覧の中では、応用情報技術者試験の難易度が比較的低いですね!

私も「応用情報技術者試験」を保有しており、これで中小企業診断士(一次試験)の「経営情報システム」を免除した経験があります。

なので、Nさんがこの試験をお薦めする理由もよくわかります。

応用情報技術者試験の勉強タイミングは?

TOMO

応用情報技術者試験がお薦めなことは伝わったかと思います。

では、弁理士試験と並行して応用情報技術者試験を受験する場合、どのタイミングで勉強するのでしょうか?

Nさん

応用情報技術者試験の勉強開始タイミングについて説明します。

令和3年度弁理士試験公告の注意書き(※3)によると出願受付の最終日までに情報処理技術者試験合格証明書が発行されている必要があります。

6. 第11条第6号を証明する書面
九 情報処理の促進に関する法律施行規則第41条において読み替えて準用する同規則第8条第2項の規定により情報処理技術者試験合格証書の交付を受けている者であって、弁理士法施行規則第3条の表の上欄の第5号に掲げる科目について弁理士試験の筆記試験に合格した者と同等以上の学識を有すると経済産業大臣が認める者

・情報処理技術者試験合格証明書

※3 上記5. 及び6. の三、四、八から十二を証明する書面については、本試験公告日(令和3年2月24日(水曜日))から願書等の受付の最終日(令和3年5月21日(金曜日))までに発行されたものに限る。

令和3年度弁理士試験公告から引用

そのため、秋期の応用情報技術者試験(令和3年は10月10日(日)に実施予定)で合格しておかないと翌年度(令和4年の弁理士試験)の出願に間に合いません。

※情報処理技術者試験合格証明書の発行は12月中に行われると思われる。
※春期の応用情報技術者試験だと弁理士試験の出願に間に合わない。

となると、勉強のタイミングは以下となります。
どちらにしろ来年度の弁理士試験に向けての受験勉強になります。

【短答式試験の免除をしない場合】
以下の3つの開始タイミングがあると思いますが、②のタイミングから論文式試験(選択科目:理工V)の勉強と並行して応用情報技術者試験の勉強を始めるのがよいと思います。

ただし、応用情報技術者試験は飽くまでも来年度に向けた保険という位置付けであるため、論文式試験(選択科目:理工V)の勉強をメインにして下さい。

<応用情報技術者試験の勉強開始タイミング>
①短答式試験後から勉強する(約3ヶ月間の期間)
②論文式試験(必須科目)後から勉強する(約2ヶ月弱の期間)
③論文式試験(選択科目)後から勉強する(約1ヶ月弱の期間)

【短答式試験の免除を行う場合】
論文式試験(必須科目・選択科目)の勉強と並行して勉強する。

TOMO

短答式試験の免除をしない場合の勉強開始タイミングがシビアですね。

応用情報技術者試験の勉強に力を入れたため、論文式試験(必須科目や選択科目)に不合格になってしまったら、元も子もありません。

今年度(令和3年度)の弁理士試験に受かるのがベストであり、応用情報技術者試験の合格は来年度(令和4年度)の選択科目免除に向けた保険という位置付けです。

そのため、応用情報技術者試験の勉強時間配分には気をつけてください!

一方で短答式試験を免除している場合、ある程度余裕が生まれているはずなので論文式試験の勉強に混ぜ込む形で勉強したらよいかと思います。

応用情報技術者試験の勉強方法

TOMO

応用情報技術者試験の勉強方法については外部サイトで多く語られているので、本記事では深く突っ込みません。

下記のサイトを見て午後の選択問題の勉強に
取り組んでもらえればと思います。

【応用情報技術者試験】午後の選択問題のおすすめ度【選び方も紹介】

※午前試験は問題集を買って解いてください。

Nさん、何か補足はありますか?

Nさん

やはり、午後の選択問題(計5分野、その内”情報セキュリティ”は必須)を早めに決めて、その分野に絞り込んだ勉強を行うとよいと思います。

※全分野の勉強は無駄なのでNG、当日に解く分野を決めることもNG!

省エネで合格したいのであれば、国語力中心で解答できる分野(ストラテジ)や必修の”情報セキュリティ”と知識が重複する分野(ネットワーク)を選ぶことをお薦めします。

最後に

弁理士試験に限らず、試験科目の免除は積極的に行いたいところです。

ですが、本ちゃんの試験(弁理士試験の短答式試験や論文式試験(必須科目)等)をおざなりにしてはいけません。

うまく隙間を見つけて、本ちゃんの試験と共存する形で応用情報技術者試験の勉強を進めてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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